これでわかった!Surface 2がタブレットだからといってアプリを使うことが必須ではない理由
サービスさえ使えればよい。所詮アプリはそのための手段
Q&Aサイトなどを見ていると、「Surface 2はパソコンソフトが使えないからダメ」「ストアアプリが少ないから使えない」 といった書き込みを毎日のように目にします。
毎日見るたびに「具体的に何を”ダメ”といっているのだろうか?」と疑問に思います。おそらく「利用したい”用途”に使えないから”ダメ”」ということを言いたいのでしょうけれども、その「用途」とは何なのか。
私は、「アプリが使えない」=「目的とする”用途”で使えない」ではないということを機会あるごとに書いてきました。今日は、それはなぜか? ということを少し踏み込んで説明してみたいと思います。
それには、「ソフトからサービスへ」という大きな転換が現在進行中であることを説明する必要があります。
いまや単独の「ソフトウェア」はどんどん減ってきている。あるのは、サービスを利用するための窓口
30年にわたるWindowsの歴史において、一貫して、主役は「パソコンソフト」でした。ワープロ、表計算、写真レタッチ、動画編集、ソフトウェア開発、年賀状作成、会計など、様々な用途向けにパソコンソフトが開発され、発売されました。
しかし、それらのソフトウェアが、急速に「サービス」に置き換わってきた、というのが、この10年ほどで起こった大きな変化です。
1.第一段階:Webサービスの普及(2000年代前半)
具体例を挙げましょう。20年前は、「地図ソフト」や「路線検索ソフト」が数千円から1万円以上の価格で売られていました。
いま、パソコンソフトとしてそれらを使っているユーザーがどの程度いるでしょうか?ほぼゼロだと思います。
電子メールやカレンダー、地図、路線検索などのソフトウェアは、急速にWeb上のサービスに置き換えられていきました。
2.第2段階:スマートデバイスとアプリの普及(iPhone以後)
革命の第2段階は、2007年に発売されたiPhoneの「アプリ」です。アプリの導入により、スマートフォンの小さい画面でも、タッチ操作により効率的にWebサービスを利用することができるようになりました。
これにより、「いつ、どこにいてもWebサービスが利用できる」環境が実現したのです。くしくもiPhoneの普及とともに成長していった、Facebook、Twitter、Evernote、Dropboxなどのサービスは、モバイルと組み合わさることにより劇的に便利になり、それが双方の成長を加速しました。
アプリには、得意なとことと不得意なことがある。
1.アプリの得意分野
アプリは、簡単なことをさっと済ますには最適です。メールを見る、twitterやニュースを見る、天気予報をチェックする。写真を撮る。いずれも、アプリがあることによって、利用が非常に簡単になっています。
2.Webブラウザないしパソコンソフトの得意分野
一方、能動的に何かアウトプットを想定して作業しようとすると、アプリは途端に機能不足が重荷になり、不便になります。
複数のウィンドウを開いて、情報収集と加工、資料作成を並行して進めようとすると、大きな画面で、Webブラウザのマルチウインドウで、キーボードとマウスを使って作業したほうがはるかに効率的です。
では、Surface 2でアプリは必要なのか?
タブレットというのは位置づけが中途半端です。なぜかというと、「スマートフォン」と「パソコン」の中間の大きさであり、「両者の中間的な何か」ができるデバイスでしかありません。
iPadとAndroidは、「スマホより」の位置づけになっています。アプリ中心に使いつつ、スマホの小さい画面では使いづらい電子書籍や動画閲覧にも使うという使い方です。
それに対して、Surfaceシリーズの位置づけはiPadとは明確に異なります。
Surface 2は、タブレットの管理の容易さや安全性といった長所を取り入れつつも、「何かを作り出す」能動的な使い方に最適化されているのです。このため、ほぼフル機能のOfficeとIEを、キーボードとマウスつきで利用することが想定されています。
これにより、Surface 2では、Webサービスと最重要ソフトであるOfficeを快適に使用することができます。
ぶっちゃけて言いますと。
現行のSurfaceシリーズでは、アプリは事実上「オマケ」なのです。もちろん、アプリが充実して、アプリでできることもSurface 2でできるようになればいうことはありません。しかし、ない袖は振れません。
私が、Surface 2とiPhoneの併用を繰り返しおすすめしているのは、このためです。iPhoneからはアプリで、SurfaceからはIEで、同じサービスを利用すれば、相互の弱点を補い、一般的なユーザーが必要とするほとんどの”用途”に対応できるようになります。
実際、Surface 2+iPhoneの組み合わせでできない分野は日に日に少なくなっていています。最近ですと、年賀状作成や家計簿、写真管理、名刺管理などの分野でサービスへの移行が進みつつあります。
パソコンソフトが最後まで残るのは最終的には業務やプロ向けの一部用途に限られ、ほかはすべてサービス化するものと私は予想しています。
結論:Surface 2が使えないのではない。使い方を工夫すればよい話なのである
ということで、長文になってしまったので、本記事のポイントを改めて整理すると、
- 我々は今や、たいていの場合、「ソフト」ではなく「サービス」を使っている
- 「アプリ」とは、サービスを効率に利用するためのインターフェースに過ぎない
- サービスの機能をフルに活用し、能動的にアウトプットにつなげるためには、Webブラウザから利用する必要がある。Surface 2はこちらが得意。
- iPhoneとSurface 2を組み合わせて使うことで、場面に応じて最適なデバイスでサービスを利用できる。この組み合わせで、特殊専門的なものを除き、ほとんどの用途をカバーできる
「タブレットはアプリで使うもの」「パソコンはソフトで使うもの」という固定観念を取り去り、「どうすれば便利に使えるか」を考えればよい、ということです。
※アプリも、あった方がいいのは、いうまでもありませんが。
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