Surface Pro 3 で外付けディスプレイのスケーリングがうまくいかない問題の救世主は Windows 10
Surface Pro 3 の外付けディスプレイのスケーリング設定について
Surface Pro 3 は、「これさえあれば、何もいらない」をキャッチフレーズとしており、デスクでも運用できることが特長の 1 つです。
そして、デスクでの運用を快適にする周辺機器が「Surface Pro 3 ドッキングステーション」です。
このドッキングステーションに外付けディスプレイを接続しておくことで、マルチディスプレイ環境を実現することが容易になります。
しかし、現行の Windows 8.1 では、外付けディスプレイ接続時の拡大率(スケーリング)の設定に一定の制約があります。この記事では、その内容と開発中の Windows 10 で追加された新たな設定方法についてご紹介します。
Windows 8.1 での拡大率設定(スケーリング)のしくみ
Windows 8.1 では、マルチディスプレイ環境において、ディスプレイの拡大率を個別に変える機能が追加されています。
しかし、これは、「ユーザーが任意の拡大率を指定できる」という意味ではありません。システムがそれぞれのディスプレイに最適な拡大率を選択して設定します。
ユーザーが可能なのは、システムが設定する拡大率を、スライダーで相対的に大きくしたり、小さくしたりすることです。
スライダーを上下すると、各ディスプレイの拡大率が連動して上下します。
詳しい仕組みについては、こちらのドキュメントをご参照ください
問題は、システムが自動で設定する拡大率が実際にどうなるのか、ということですが、一般的と思われる「Surface Pro 3 + 21 ~ 24 インチクラスのディスプレイ」の環境で確認してみました。
システムが実際に設定する拡大率には、少々癖がある
Surface Pro 3 + 24 インチモニタ (1920 * 1200 ピクセル) で、実際に設定される拡大率がスライダーの設定によってどうなるのかを確認した結果が以下のとおりです。
(A: 推奨設定)
Surface Pro 3 : 150 % (144DPI)
外付けディスプレイ: 125 % (120DPI)
(B: 一段階縮小)
Surface Pro 3 : 125 % (120DPI)
外付けディスプレイ: 125 % (120DPI)
(C: 二段階縮小)
Surface Pro 3 : 100 % (96DPI)
外付けディスプレイ: 100 % (96DPI)
推奨設定では外付けディスプレイ側の文字やアイコンが 125% に拡大され、やや大きめになります。
他方、外付けディスプレイ側の拡大率が 100% になるまで縮小するとSurface Pro 3 側の
表示がやや小さめになります。
それぞれ、単体で利用する場合は、Surface Pro 3 が 150% 、外付けディスプレイが 100% が推奨設定になりますが、マルチディスプレイ環境で拡大率をその値に設定する方法がありません。
Windows 10 では、拡大率の設定方法が変更 + 推奨設定で使える
実は、 Windows 10 の最新ビルド 10074 では拡大率の設定方法が変更されており、ユーザーがディスプレイごとに任意の拡大率を選択できる機能が追加ました。
また、推奨設定の拡大率も変更されています。
本体ディスプレイの拡大率:推奨 150%
外付けディスプレイの拡大率:推奨 100%
Windows 10 は開発中のため、GA 版にどのような形で実装されるかは未確定ですが、お試しいただき、フィードバックを送っていただくと改善の助けになります。
Windows 8.1 での回避策
必ずしもベストの設定ではありませんが、以下の設定を実施すると、拡大率を本体 150% - 外付けディスプレイ 100% にした状態に近い設定にすることができます。
Surface Pro 3 側の表示のシャープさは減少しますが、外付けディスプレイの表示は見やすくなりますので、外付けディスプレイをより重視される場合に適しています。
・「すべてのディスプレイで同じ拡大率を使用する」をオン
・拡大率を「小 (100 %) 」に設定
・Surface Pro 3 側の画面解像度を 1440 * 900 または 1680 * 1050 に設定
こちらの記事が参考になります。