Surface Pro 4 / 3 ビジネス活用日記

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Microsoft Azure RemoteApp:iPhoneでデスクトップアプリを動かす

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Azure RemoteApp combines Windows application experiences with the powerful capabilities of Remote Desktop Services on Microsoft Azure – the cloud for modern business.

Microsoft Azure RemoteApp

 

Microsoft Azure RemoteAppで、デスクトップアプリをリモート実行

 

Surface 2で動かないデスクトップアプリを動かす手段としては、リモートデスクトップ接続を使うのが定番ですが、Proエディション以上のWindowsパソコンを用意しなければいけないので、個人ユーザーにはハードルが高い方法です。

 

一方、業務用では、リモートデスクトップサービス(RDS)ないしサービスとしてのデスクトップ(DaaS)が急成長しているようです。

 

そんな中、Microsoft自身が提供するサービスとして、「Microsoft Azure RemoteApp」がプレビュー提供されたと知って、試してみました。

 

Microsoft Azure RemoteAppについて

 

まず、Microsoft Azure RemoteAppとは何なのか。一般向けの日本語解説はほとんどありませんが、以下の2つの記事が見つかりました。

 

 Microsoft Azure RemoteAppは、Microsoft Azureのクラウド上で実行されるWindows Serverインスタンスにインストールされたアプリケーションを、「リモートデスクトップサービス」(RDS)を利用して、RemoteAppプログラムとしてインターネットまたはVPN(仮想プライベートネットワーク)経由でユーザーに提供するサービスです。

 Microsoft Azureを利用したDaaS(Desktop as a Service)を、簡単に構築できるようにするサービスと言ってもよいでしょう。

その知識、ホントに正しい? Windowsにまつわる都市伝説(5):Microsoft RemoteAppで何ができるの? - @IT

 

Azure RemoteAppは、RDP (リモート デスクトップ プロトコル)/RemoteFXの高品質でWAN対応のユーザー エクスペリエンスを特徴とし、実績あるWindows Serverのリモート デスクトップ サービスのインフラストラクチャの上に構築され、一流のクラウド プロバイダーであるAzureのグローバル スケールと信頼性を活用し、どこからでもアクセス可能な「サービスとしてのWindowsアプリケーション」すぐに使える完成したサービスを提供します。

クラウド上のWindowsアプリ: Microsoft Azure RemoteAppの紹介 | S/N Ratio (by SATO Naoki)

 

平たく言えば、「Microsoft Azure上でWindowsアプリケーションをサービスとして使う仕組み」といったところでしょうか。

 

プレビューサービス利用の手順:Windows RTには現状非対応

 

Azure RemoteAppのプレビューは、Microsoftアカウントさえあれば参加可能です。つまり、Surface 2ユーザーであれば使えるということ。

 

しかし、ここに落とし穴がありました。Microsoft Azure RemoteAppのWebサイトから「Experience Azure RemoteApp」を選択したところ・・・、

 

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ない・・・。「iPad and iPhone」や「Mac」はあるのに、Windows RTには非対応。

デスクトップアプリが動かないからDaaSに期待しているのに、当のクライアントソフトがデスクトップアプリでした。

 

仕方ないので、今回はiPhoneで試してみることにしました。

 

iPhoneでOffice 2013 Pro Plusを使う!

 

iPhoneでRemoteAppを使うには、リモートデスクトップ接続に使う「Microsoft Remote Desktop」アプリを使います。リリースノートを見ると、ver 8.0.6からRemoteAppに対応したようです。

 

Microsoft Remote Desktop

Microsoft Remote Desktop

 

アプリを立ち上げると、「Microsoft Remote App」という項目があります。ここにMicrosoftアカウントを追加します。

 

アカウントのメール・パスワード認証が済むと、Remote Appの項目に「Excel」「Powerpoint」「Word」の3つのアプリが現れました。

 

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ここで「Excel」を選択すると、Windows Sever 2012R2の起動画面が現れた後、全画面でExcel 2013の英語版が立ち上がります。

 

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どうやら最初からデモ用のファイルを読み込んだ状態で起動されるようです。

 

残念ながら、上の画面は実際にはiPhoneの4インチの画面に表示されたもので、タッチでの操作はほとんど不可能です。通常のWindowsパソコンやタブレットなら操作できるはずです。

 

Excelを終了すると、仮想マシン自体も停止し、Remote Desktopアプリの画面に戻りました。

 

結論:DaaSを個人ユーザーが自由に使える日はまだ遠いのだろうか

 

今回のプレビュー版は個人ユーザーでも無料で気軽に試すことができましたが、今後開始される正式サービスは、企業ユーザー向けで価格もハイクラスになりそうな雰囲気です。

 

 何も知らずに体験してみると、フルバージョンのMicrosoft Officeアプリケーションの提供方法として、リモートデスクトップ接続のRemoteAppのテクノロジを利用したサービスをマイクロソフトが準備しているのかと思うかもしれません。

 おそらく、プレビュー版(Preview)と正式リリースの違いを考えたことがない多くの一般の人は、“タダなんて太っ腹! でも、日本語版はまだなの、ないの?”なんて思うかもしれません。でも、マイクロソフトにそんな計画はおそらくないでしょう。

 

 一般の個人の方は、Microsoft RemoteAppなんて見なかったことにしておくのが無難です。

その知識、ホントに正しい? Windowsにまつわる都市伝説(5):Microsoft RemoteAppで何ができるの? - @IT

 

OneDriveやOffice Onlineなみの手軽さで個人がDaaSを利用できるようになるには、まだ先は長いようです。