Windows ThresholdでSurfaceはピュアタブレットになるのか?
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Threshold:パソコンの復権とタブレットとのすみわけ
次期Windows OS、コードネーム"Threshold"の存在が米ZDNetのMary Jo Foley氏によって初めて報じられたのは2013年12月です。
その後2014年4月に行われたMicrosoftの開発者向け会議"Build 2014"ではWindows 9についての公式な発表はなされず、その詳細は不明のままでした。
ところが、"Threshold"について6月30日にFoley氏は新しい記事を投稿しました。
Windows 'Threshold': More on Microsoft's plan to win over Windows 7 users | ZDNet
MS、次期「Windows」でデスクトップ機能を強化か - CNET Japan
(日本語訳)
もちろん、公式情報ではありませんが、独自の情報源を持ち、Office for iPadの発表など数多くのスクープを的中させてきたMary Jo Foleyの記事だけに、その内容は大いに注目されるところです。
ThresholdではSKU(エディション)によって外観と動作が変化する
Foley氏によると、Thresholdでは、ハードウェアの種類によって、外観や動作が異なるものになるとのことです。
Threshold OSの外観と動作はハードウェアの種類によって変化する。
デスクトップやノートPCでThresholdを使用しているユーザーには、(レガシー「Win32」アプリを実行するための)「Windows Desktop」を中心に据えたSKU、つまりバージョンが提供される。Lenovoの「Yoga」や「Surface Pro」などの2in1デバイスでは、キーボードが接続されているかどうかによって、「Metro-Style」モードとウィンドウモードが切り替わる。
Thresholdのスマートフォン/タブレット向けSKUはデスクトップ環境を搭載しないが、複数のアプリを並べて実行する機能はサポートする予定だという。この「Threshold Mobile」SKUはARMベースの「Windows Phone」とARMベースのWindowsタブレットで動作する。
整理すると、
- 従来型のパソコンでは、デスクトップとスタートメニューが中心
- スマートフォン・タブレットでは、Modern UIが中心でデスクトップは搭載せず
- パソコンとタブレット兼用の"2 in 1"タイプのデバイスではキーボードの脱着によってモードが切り替わる
ということですね。
Windows 8.xで最も使いづらかったのが、デスクトップとModern UIが混在していて、相互に切り替えながら作業していくことだったので、これは理に適っているのではないかと思います。
なお、Paul Thurrott氏は、Thresholdのスタートメニューは、Windows 8.xのスタート画面を変形してWindows 7のスタートメニューに似せたものであるという興味深い見解を示しています。
The new Threshold Start menu isn't based on the old Start menu. It is instead a new Start experience based on the Windows 8.x Start screen. It will likely auto-detect your PC type on first launch, and if the system boots to the desktop—as it does on traditional PCs in Windows 8.1 today, it will provide a menu that is roughly analogous, size-wise to the Windows 7 Start menu. But if you are using a tablet or other touch-based system with no keyboard, you will boot to a full-screen Start menu that looks and works a lot like the Start screen does now.
SurfaceのRTシリーズはThresholdでピュアタブレットになるのか
ここで気になるのは、Surface 2(ARM&Windows RT搭載)の系統はどのようなハードウェアとして扱われるのかということです。
Foley氏の報じたところによると、Threshold Mobileは現在Windows PhoneとWindows RTが搭載されるデバイスを対象にし、デスクトップは搭載されないとのことです。
私はこの点に一抹の不安を覚えました。
というのは、私も含めてですが、現にSurface 2を購入したユーザーの中には、「通常はキーボート付き、ときどきタブレット」として使っている方が多くいると思われるからです。
ヨドバシ.comの購入者レビュー(69件、平均4.6点評価)を見ても、「Officeが使える薄型軽量パソコン」として使って満足しているとの投稿が多く見られます。
ヨドバシ.com - P3W-00012 [Surface 2(サーフェス)/32GB]のレビュー 69件P3W-00012 [Surface 2(サーフェス)/32GB]のレビュー 69件
仮にデスクトップを廃止してピュアタブレットになった場合、このようなユーザーニーズをどのようにして満たすのか、気になるところです。
安価で気軽に使える2 in 1マシンという性格は残してもよいのでは
Foley氏の記事は、もちろん公式情報ではありませんし、次期Windowsの公式情報が出てくるのがいつかはわかりません。
しかし、現行のSurface 2(RTシリーズ)の良さを評価しているユーザーのうち、多数が手ごろなキーボード付きOfficeマシンとしての使い勝手を挙げていることは、今後の製品開発にあたって考慮されてもよいのではないかと思います。
例えば、Modern UIのアプリがキーボード&マウスでも使いやすくなるのであればそれでもよし、また、ARMであってもキーボードを装着した場合は2 in 1扱いになってデスクトップが有効になるのでもよし。
おそらく、最終的にはユーザーニーズをしっかり汲み取った新製品が登場すると期待して楽しみに待ちたいと思います!