Surface 2非公式マニュアル(32) 今が"旬"OneNoteの新機能4つを使いこなす
Microsoft OneNote | The digital note-taking app for your devices
新生OneNoteの追加機能の使い勝手はどうなのか?
先週、マルチデバイス戦略を強く打ち出したOneNoteは大きく注目されました。特に、新規リリースのMac版はユーザーの関心を集めたようです。
MicrosoftのOneNote、Macアプリストアのトップに躍り出る | TechCrunch Japan
Onenoteは、サービス強化の一環として、以下のような機能追加を行っています。山口健太氏が解説している通り、これは、「クラウドサービスとしての」OneNoteの再出発を示すものといえるでしょう。
『OneNote』は無料化とAPI公開でEvernoteに対抗できるか
では、肝心の新機能の使い勝手はどうなのか? 早速試してみましたよ。
今回のOneNote新機能は4つ
先週のアップデートで追加されたOneNoteの新機能は4つあります。
この4つを実際に使ってみて、有用なのかを試してみようというのがこの記事の主眼です。
1.評価△:「OneNote Clipper」によるWebページのクリップ
閲覧中のWebページをOneNoteにクリップできるブックマークレット
これまでも、Webページを手動でコピーしノートに貼り付けることはできましたが、ボタン1つでOneNoteにページを送ることができるようになったため、より簡単に利用できるようになりました。
利用には、まず、OneNote.comから専用のブックマークレットをブラウザのお気に入りに登録する必要があります。
「Clipperを取得」をクリックすると、IEのお気に入りに追加できる画面が表示されるので、「OneNoteにクリップ」を右クリックして「お気に入りに追加」を選択。
ガイドのとおり「お気に入りバー」に追加しておくと、クリップの手間が省けて便利でしょう。
お気に入りバーに「OneNoteにクリップ」というリンクが追加されるので、クリップしたいWebページを閲覧しているときにリンクを選択すれば、ページをOneNoteに送ることができます。
Webページが画像になってクリップされるので、使い勝手は発展途上
さて、このClipper、名前が示す通り、「Evernote Web Clipper」と同様の機能です。
Evernote Web クリッパーの新機能 | Evernote
しかし、Evernoteのクリッパーが、WebページをInstagramよろしく読みやすく整形して保存してくれるのに対し、OneNoteのそれは、単にWebページの画像イメージを保存するだけです。
試しに当ブログのトップページをクリップしてみました。実際に試していただくと一目瞭然ですが、なんだかフォントもきれいでないし、字にジャギーが出て汚い。
残念ながら、現時点では、Windows 8.1の共有チャームの画面キャプチャーかSnipping Toolsでクリップしたほうがよいのではと思いました。
Evernoteのような「あとで読む」のに適した表示方法は情報のストックに向いていると思うので、この機能については、今後の改善を期待したいと思います。
また、専用ブックマークレットはSurface 2(IE11)では使えましたが、iPhone(Safari)では使えませんでした。モバイルのほうがクリップのニーズは高いので、スマートフォンにもぜひ対応してもらいたいものです。
2.評価○:電子メールによるノートの追加
電子メールの内容をクリップしておきたい時に便利な機能です。
この機能を利用するためには、あらかじめOneNote.comでメールアドレスの登録を行っておく必要があります。
「メールを設定」のリンクをクリックすると、メールアドレスの登録画面に進むことができます。Microsoftアカウントでログインしていれば、そのメールアドレスが既に候補として表示されているはずです。
このチェックボックスにチェックを入れて、「保存」すれば準備は完了です。
あとは、登録したメールアドレスから「me@onenote.com」あてにメールを送信すれば、自動的にノートとして保存されるようになります。
Surfaceのニュースレターを試しに転送してみたところ、こんな感じになりました。
こちらは、Webページクリップと違い、字が読みづらいという問題はありません。
クリップしておきたい電子メールを転送しておくには適しているサービスのように感じました。
3.評価?:ドキュメントスキャン機能
肝心のアプリが日本で使えない残念機能
ドキュメントやホワイトボードを撮影し、ノートとして保存する機能です。光学式文字認識(OCR)機能により、画像中のテキストを認識して検索できるようになります。
この機能は、日本国内のユーザーにとっては評価が難しい。なぜなら、利用するためのアプリ「Office Lens」がWindows Phone 8専用だからです。
Office Lens: A OneNote scanner for your pocket | Office Blogs
iPhone、Androidアプリがないので、大多数のユーザーは使えない。実に惜しいですね・・。
一応、WindowsストアアプリのOneNoteには、同様のスキャン機能がついていますが、いうまでもなくタブレットよりもスマートフォンの方が機動力があるので、スマートフォンアプリのマルチデバイス対応が望まれます。
Windowsストア版OneNoteに写真の遠近補正やOCR機能が搭載 〜Windows 8.1とタブレットでより便利に - PC Watch
何クラウド側にOCRを実装しないのか?
ところで、EvernoteやGoogle Driveはアプリ側ではなくサービス(クラウド)側にOCR機能を持っています。
同期することによりノートが Evernote へ送信されると、そのノートから PNG・JPG・GIF の MIME 形式と一致するすべての
Resources
が複数の OCR(光学文字認識)専用サーバへ送信されて、サーバ側の文字認識処理によって抽出された文字が返されます。文字認識の結果は、recoIndex
と呼ばれる、ノート閲覧時には見えないメタデータ属性としてノートに追加されます。
Evernote の画像認識の仕組みについて | Evernote日本語版ブログ
機能を追加するなら、デバイス側は単なる画像としてクリップし、後からOCRをかけられた方が便利ではないのか? という気がします。
この機能は今後の改善に期待ですね。
4.評価△:他のアプリとの連携
サードパーティのアプリとの連携が可能になりました。
連携先は、EPSON・brotherのプリンター、RSSリーダーFeedly、スキャンアプリJot Not、オートメーションアプリIFTTTなど、様々です。
プリンターの場合はスキャン結果を直接OneNoteに送れるようになり、FeedlyはフィードをOneNoteにクリップすることができます。
試しに、手持ちのiPhone用スキャナアプリ「Jot Not Scanner」で連携機能を試そうとしました。
しかし、連携するクラウドストレージの選択肢に「Dropbox」「Evernote」等は表示されるのですが、「OneNote」は出てきません。「Open in」ダイアログを表示しても、「OneNote」はありません。
Jot Notのアプリ自体、最新版は2013年11月時点なので、現時点では連携機能がまだ実装されていないのかもしれません。
いずれにせよ、ほかのアプリとの連携機能は、Evernoteがはるか先を行っているので、いろいろなアプリが普通に対応してくれるまでには、まだ少し時間がかかるような気がします。
結論:OneNoteのWebサービスはまだ始まったばかり。今後の機能改善に期待
以上、新機能4つを一通り試してみましたが、電子メール送信機能以外は、使い勝手にまだ今一歩のところが目立つというのが第一印象です。
ユーザーのフィードバックを得て、着実に機能改善が進むことを期待したいと思います!
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