Surface Pro 4 / 3 ビジネス活用日記

Surface Pro 4 / Surface 3 の意外と知らない活用法を発信します

完全解説:これが噂の「Surface 3」だ

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※本記事は、Surface 3の「噂」についての解説です。Microsoft社の公式発表にもとづくものではありません。

 

世界を駆け巡った、「Surface 3」のリーク情報

 

米国時間の1月10日、「Surface 3」のリーク情報が世界のMicrosoftSurfaceのファンを震撼させました。

 

Microsoft News |   Rumors On Surface 3, Xbox TV, Surface Notebook Emerges OnlineMicrosoft News | Rumors On Surface 3, Xbox TV, Surface Notebook Emerges Online

 

情報源は、@MSFTnerd (=Microsoftオタク)という謎の人物がツイートしたもので、真偽のほどは明らかではありません。当然、Microsoftの公式見解もありません。

 

それでも、このニュースが注目されたのは、「Surface 3にTegra K1 64ビットSoCが搭載される」という情報が含まれていたからです。CESで公表されたばかりの最強チップの搭載製品として最初に名前が挙がったことで、がぜん注目度が高まりました。

 

曰く、

 

 

 

Microsoft is planning to bring Surface 3 powered by Nvidia Tegra K1 processor with Denver CPU (64-bit ARMv8) in end of 2014.

 

現時点で究極のSoCチップ、「Tegra K1」とは何か?

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Tegra K1が大きなインパクトを与えた理由は、Tegraシリーズなどのモバイル専用チップ、いわゆる「SoC」の処理能力を爆発的にアップさせることをうたっているからです。

 

Tegra K1は、「Kepler」、「Denver」というNVIDIA社の2つの最新技術が両方盛り込まれるという豪華仕様になっています。そのあたりの、何が凄いのかは、チップ技術解説の第一人者、後藤弘茂さんの記事に詳しく解説されています。

 

【後藤弘茂のWeekly海外ニュース】NVIDIAが究極のモバイルSoC「Tegra K1」を発表  - PC Watch【後藤弘茂のWeekly海外ニュース】NVIDIAが究極のモバイルSoC「Tegra K1」を発表 - PC Watch

 

以下、後藤さんの記事から、「Kepler」と「Denver」の何が凄いのかをピックアップしてみましょう。

 

Keplerとは?

 

 

Tegra K1の最大の特徴は、GPUコアをNVIDIAの最新の「Kepler(ケプラ)」アーキテクチャコアに変えたこと。TegraGPUコアを、PC向けGPUと同アーキテクチャに揃えることで、PCグラフィックスの機能とGPUコンピューティング機能をモバイルにもたらす。

 

 

NVIDIATegra K1開発に当たって最も留意したのは、PCで実現している機能を、そのままモバイルに持って来ることだったという。そのため、Tegra K1のKepler GPUコアは、PC向けコアの機能削減版ではなく、ほぼそのままの機能のコアを持ってきた。GPUコアの持つフィーチャはPC版と共通であるため、PCで実現しているようなグラフィックスを、モバイルに持って来ることができる。一言で言えば、現在のPCやPlayStation 4(PS4)/Xbox Oneで実現できるグラフィックスを、モバイルに載せることができる。

 

"Kepler"とは、NVIDIA社の最新GPUコアで、最新のモンスターGPUGeForce GTX 780 Ti」もこのKeplerコアを採用しています。このため、PS4やXbox Oneなみのグラフィックスのクオリティが実現できるというのは驚きです。

 

Denverとは?

 

最初に登場するTegra K1は、CPUに32-bitアーキテクチャの「Cortex-A15」を4+1コア搭載する。しかし、Tegra K1にはもう1つのバージョンがあり、こちらはCPUコアに64-bitアーキテクチャ(ARMv8)の「Denver(デンバー)」をデュアルで搭載する。Denverは7-wayのスーパースカラCPUで、クロックは2.5GHz以上、128KBのL1命令キャッシュと64KBのL1データキャッシュを備える。

 

 

ARM自身の64-bit CPUコア「Cortex-A57」は3-wayスーパースカラに過ぎず、DenverはARMv8系CPUの中では最高の命令レベル並列度となる。つまり、それだけシングルスレッド性能が高い。IntelのCore i系CPUはCISC(Complex Instruction Set Computer)で4-way(Macro-Fusionも含めると5-way)なので、RISCで7-wayのDenverは同レベルかそれ以上の並列度となる。64-bit版のTegra K1は今年(2014年)後半に登場予定だ。

 

現物が出てみないと何とも言えませんが、"Denver"は、単に64ビット化されただけではなく、NVIDIA社の独自技術によって、設計上はIntelのCoreシリーズに対抗できる性能を持っている可能性がありそうです。

 

SurfaceTegraシリーズ、その接点とは

 

なぜ、Tegra K1との関係でSurface 3がここまで注目されるかというと、初代Surface RT、現行Surface 2と、Surfaceシリーズは一貫してTegraシリーズのチップを搭載してきているからです。

 

実は、Tegraシリーズは、現時点ではQualcommのSnapdragonシリーズに押されて劣性ですが、SurfaceシリーズだけはずっとTegraで来ているのです。したがって、それから類推すれば、Tegra K1を採用する製品の最右翼は、Surfaceシリーズなのです。

 

今回のリークの有無にかかわらず、Surfaceシリーズに期待が集まるのは、自然なことといえるでしょう。

 

気になるリリース時期と"Threshold"との関係

 

MicrosoftSurfaceシリーズはもちろん、AppleiPadAmazonKindle Fireなど、主だったタブレットは、北米で最大需要が見込まれるクリスマス商戦前に発表・発売されるのがここ数年の通例になっています。

 

今年もこのパターンであれば、Surface 3は秋口に発表され、10月か11月に発売というのが常識的な予想でしょう。

 

しかし、もし、"Denver"コアを搭載するとなると、少し面倒な問題が発生します。このような新技術を搭載したチップは、OSであるWindowsの側でもかなり手を入れないと対応できないものと思われますが、それがいつ可能になるかということです。

 

実際、前述の@MSFTnerd氏は、こうも言っているようです。

 

 

Denver won't be supported until Threshold.

 

もし、"Threshold" = Windows 9 or 8.2 までDenverがサポートされないとすると、必然的にSurface 3の発売も2015年に年越しになってしまいます。最大商戦の年末を、目玉商品の投入なく見過ごすのは、ビジネス上は大きな痛手になり、ライバルとの競争上も不利に働くでしょう。

 

かといって、"Denver"非搭載版では、年末には間に合うかもしれませんが、製品としてのインパクトは小さくなってしまいます。

 

さあ、どうする、Microsoft??

 

もう少し情報が出てこないとこれ以上の憶測は無意味ですが、いずれにせよ、Surface 3が今から楽しみな話題なのは間違いなさそうです。

 

ワクワクしながら続報を待ちましょう!

 

 

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